第18回 トップページは読み手のニーズを考えて

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

読み手が一番求めている情報をトップページに配置する

今回から、ページごとに大事なポイントを見てみたいと思います。ホームページで最も重要なページは「トップページ」ですね。ホームページの起点となるページで、ほとんどの人がこのページから見始めるからです。

しかし、ホームページにアクセスしたすべての人がホームページをしっかり見るわけではありません。それどころか、実際に半数近くの人がホームページにアクセスしながら、すぐに見るのをやめてしまいます。自分が期待した内容とは異なる内容だと判断するからです。その判断を、アクセスしてわずか数秒でしているのです。ですから、トップページで最初に何を見ていただくかということはとても重要な課題なのです。

では、実際にトップページで何を表示するのが最適解なのでしょうか。ここでいちばん重要なことは、ホームページを見に来た人は何を求めているのかと考えることです。どういうきっかけで、どういうニーズがあって、わざわざ検索してわたしたちのホームページを見に来ているのでしょうか。想像してみてください。そして、その人たちのニーズに応えてあげてください。

不安を取り除くことを心がける

ある人は、薦められて教会に行こうと思ったかもしれません。三浦綾子さんの小説を読んだからかもしれません。クリスチャンの方が転勤で新しい教会を探しているのかもしれません。きっかけや理由は数あれど、どんな人でも新しい環境に足を踏み出そうとするのは不安なものです。みなさんも、行ったことがないお店に行く前にはインターネットで下調べをしませんか。そして、できるだけ自分に合いそうな教会を探して、不安を取り除こうとするものです。ですから、教会の中が見えるようなホームページが優先されることは間違いありません。このように読み手のことを想像して、読み手の立場で考えてみてください。読み手をガイドし、読み手の不安を取り除くようなホームページが理想です。

スタンダードなトップページ構成

とはいってもホームページを作ったことがない方にとっては、イメージしづらく、なかなか難しいことですね。そこで、スタンダードなトップページの構成をご紹介しましょう。「ごあいさつ」「お知らせ・イベント案内」「集会案内」という構成です。

「ごあいさつ」は歓迎のあいさつです。教会は誰に対しても開かれています。歓迎しますということを伝えます。「主の御名を賛美致します」というような専門用語を使わず、信徒ではない方にも親しみやすい言葉で歓迎の言葉を述べます。たとえば「教会がはじめての方も気軽に入れる教会です。お気軽にどうぞ!」という挨拶があったら、行ってみてもいいかなと思いますよね。

「お知らせ・イベント案内」は、イースターやクリスマスなどのイベント案内。集会時間の変更などの緊急のお知らせを載せるスペースです。

「集会案内」は礼拝などの時刻を簡潔に案内するものです。これらは初めての方々にとっては最低限必要なものですね。読み手がいちばん知りたいであろう情報を、トップページに配置することが重要です。

あくまでスタンダードな構成で、この構成でなければならないということはありません。たとえば、礼拝の動画をトップページに掲載するのが望ましいと判断したならば、ぜひそうしてください。

この連載をお読みの皆さんに、普段「ブレッドフィッシュ」のお客様が原稿を作る時に参考にしていただくサンプルホームページを紹介します。架空の教会のホームページですが、できるだけリアルな内容、最もスタンダードな構成で作られています。ぜひご参考ください。この連載を読みながらご覧いただくと、理解が深まると思います。

http://demos.breadfish.jp/