第36回 文章では伝えきれない雰囲気を動画で

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

動画は文章の代わりにはならない

今回は動画がテーマです。ネットで動画を閲覧することは当たり前の時代になりました。高価なビデオカメラがなくても、スマートフォンで手軽にきれいな動画を撮影することもできます。ホームページにおいても、動画で教会をアピールしようと考えている人も多いのではないでしょうか。ホームページでの動画の扱い方について考えてみます。

文章より動画がわかりやすいからといって、文章として書くべきことを書かずに、動画だけで伝えようとする方がみえます。これはNGです。文章は文章でしっかり書きましょう。それが動画の内容と重複する場合であってもです。

動画を見てもらうことは、意外と敷居が高いものです。動画の閲覧は時間がかかります。文章であれば、ざっと俯瞰して、読みたいところを探すことができます。ほんの少しの時間で自分の知りたい情報を入手できます。それに対して動画は、再生をするまで内容が分かりません。自分の知りたい情報を探すのに、動画をすべて見なくてはならず、不便です。動画を置いておけば、みんな見てくれるという考えは捨てたほうが良さそうです。

文章は強力です。文章を隅から隅まで読まなくとも、文章全体から著者の息づかいまで感じることができるのです。文章をいい加減にすれば、それは読者にも伝わります。熱のこもった文章から読者はそれを受け取ることができます。動画よりも効果的なのです。

教会の雰囲気を伝えるには最高の道具

動画はどのように使うと良いでしょうか。教会ホームページのおける動画の大きな役割は、やはり教会の雰囲気を伝えることだと思います。礼拝メッセージを毎週動画として公開している教会もあります。聖歌隊やバンドの演奏風景を動画にするのもよいですね。教会員が道案内する動画を地図の横に置いておくのも面白いです。こうした動画は礼拝メッセージや音楽の質の高さをアピールするものではありません。あくまで教会の雰囲気を感じて頂くというのが主目的です。その目的においては、静止画よりも効果を発揮すると思います。

Youtubeが簡単で便利!

ホームページで動画を公開する具体的な方法ですが、Youtube(ユーチューブ)という動画投稿サイトに動画を投稿することをおすすめしています。その理由は一にも二にも「簡単だから」です。

YOUTUBEのサイトへ

Youtubeには投稿した動画を共有する機能があり、比較的簡単に自分のホームページやSNSに貼りつけることが可能です。また、スマートフォンで閲覧した時も自動的に最適化して動画を再生してくれます

映っている人に許可を取りましょう

動画を公開する際には、必ず映っている人への許諾をとってください。チャペルコンサートなどでゲストのアーティストを招いた場合、その様子を動画で公開するには、必ず出演者への許諾が必要です。教会の様子を撮影している時に、思わず教会員が映ることもあります。教会員だからといって許可がいらないわけがありません。かならず確認をとりましょう。また、礼拝のメッセージを公開するときも、個人情報に関わることは話さないようにしたり、もしくはカットするなど配慮しましょう。

教会ホームページにおいては、主役は文章です。とはいえ、動画はまったく不要であるというわけでもありません。しっかりとした文章の上に、文章では伝えきれない雰囲気を伝える動画を上手に使うことがポイントです。