第39回 SNSでは人間味のある投稿を

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

教会はFacebookがとっつきやすい

今回はFacebook(フェイスブック)やtwitter(ツイッター)といった「SNS」についてお話します。SNSとは「ソーシャルネットワークサービス」の略で、インターネット上で人々が交流するためのサービスのことです。
SNSについては、ここをお読みの方はほとんどご存知かと思いますので、ここで「SNSとは何か」とか使い方を説明するのは控えます。初心者向けの書籍もたくさんありますので、ぜひ未体験の方はチャレンジしてみてください。ここではSNSを教会がどう活用するかについてお話したいと思います。

SNSで一番使われているのは「Facebook」と「twitter」ですね。教会で一番使いやすいSNSは「Facebook」だと思います。
Facebookを企業や団体が利用する場合は「Facebookページ」と呼ばれるものを作成します。
Facebookページではブログのように日記を書くスペースがありますので、教会の様子を綴っていくことで、教会の中を見せる役割を持たせることができます。Facebookページで利用者が「いいね!」を押すとその後はその利用者に対して記事が配信されるようになるので、イベントの情報が伝わりやすいというメリットもありますね。
Facebookページを作ったら、必ずホームページの目立つ場所からFacebookページにリンクを張ってください。Facebookにもホームページのアドレスを登録して、相互に行き来できるようにすることは大切です。Facebookのカバー写真に目立つようにホームページアドレスを書いておくのもよいでしょう。
Facebookに記事を投稿する時に気をつけたいのはブログ同様、あまり内向きにならないということです。たとえば「今日は◯◯さんの洗礼式でした。主よ!感謝します!ハレルヤ!」という記事はクリスチャンにしか理解できません。信徒ではない方には奇妙に見えることのほうが多いのですし、疎外感すら感じます。外向きつまり信徒ではない一般の方にも通じる言葉で書きましょう。

twitterは聖句だけ載せてるだけでは見向きもされない

No.39 図1 NHKのツイッター「twitter」の方にも触れましょう。twitterではひとつの記事について140文字という制限があります。twitterに投稿することを「ツイート(つぶやき)」といいます。まさにつぶやくように短い文章を記事を投稿するのが特徴です。twitterで次週礼拝の案内や聖句を投稿するのもいいのですが、そればかりだとあまり見向きもされません。信仰とはあまり関係ない担当者の日常などをおもしろおかしく織り交ぜると「クリスチャンでもこんな人がいるんだ」と興味を持ってもらえるかもしれません。図1はNHKの公式twitterの様子です。NHKだから固そうに思われますよね。ところがゆるい感じなんです。その中で番組の宣伝などをバランスよく織り交ぜていますね。これが番組の宣伝だけしか書かれていなかったら、あんまり見てもらえないと思います。担当者があえて柔らかい雰囲気を作り出し、お堅い企業と消費者のパイプ役になっているのです。教会も同じ感じで良いと思います。

もうひとつ紹介しましょう。上馬キリスト教会さんのtwitterはとても有名です。2017年6月現在読者数が3万人を超えています。読者のほとんどが未信者のユーザーというから驚きです。こちらもキリスト教の話題にゆるい感じのくすっと笑える投稿を交えていて、教会のイメージを覆しています。

上馬キリスト教会のtwitter

担当者の人間味が垣間見えるところにSNSの魅力があると思います。SNSでは特に「人間味をだす」というのは大事なことです。教会は、中の様子はなかなか見えないですね。そこで「教会にいる人も、ごくふつうの人なんだ」と思って頂けるということが大切です。読者との距離も近づきます。
機械的に聖句ばかり載せたのでは、返って気持ち悪がられてしまいます。せっかくの聖句も受け入れてもらえません。まずは、相手に分かる言葉で人間味のある投稿を心がける。これが教会がSNSを使うコツではないでしょうか。