第28回 ホームページはツールに過ぎない

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

ホームページはバーチャルではなく限りなくリアルの世界

効果的なホームページを作るには、ホームページというツールの適性をしっかりと知る必要があります。ホームページをつくったけど、いまいち効果が無い、アクセスが少ないとお嘆きの方は、ホームページの適性をもう少し理解していただく必要があるかもしれません。

「インターネットでは、伝道できない。ネットはバーチャルじゃないか。大事なのはフェイス・トゥ・フェイス。顔を合わせて大事なことは伝えるべき。バーチャルで何が伝えられるんだ!」
そういう人には、最近さすがにお目にかかりませんが、一昔前には似たようなことはよく言われたことがあります。今でもこれに近い考えを持っている人がいらっしゃいます。だからホームページは作らないという方もみえます。

ネットは決してバーチャルではありません。バーチャルというのは日本語に直すと「仮想的な」という意味です。ホームページは仮想的でしょうか。向こう側にちゃんと読み手が存在しますね。ホームページはリアルな世界です。

時代に合わせてツールが形を変えたに過ぎない

インターネットが登場するはるか昔から、ホームページと同じような伝道ツールはたくさんあったのです。最近はあまり見なくなりましたが、電話をかけると自動的に応答し、牧師のメッセージが流れるサービスを提供している教会がありましたね。これも不特定多数の見知らぬ人たちに情報発信するツールです。

わたしが教会に足を踏み入れたきっかけとなったのは三浦綾子さんの小説でした。ちなみに「教会に行きましょう」と誘われても絶対に行かなかったですね。小説を読んで自発的に行ってみようと思ったのです。書籍などの印刷物は昔からある有効な伝道ツールと言えますね。

入口に掲示板を設置している教会もたくさんあると思います。掲示板は教会の前を通られる人たちのことを意識して、礼拝時間や説教内容、イベントのポスターが掲示してありますね。これも重要な伝道ツールです。

ホームページは、昔からあったこれらのツールがちょっと姿を変えただけです。特殊なものでもなんでもなく、ただのツールに過ぎないのです。わたしたちはツールに振り回されることなく、ツールの適性を見極めて、どのように活用するかを検討する必要があるのです。

ホームページは興味を持った人にアプローチするツール

ホームページは、自分が発信する情報に興味を持っている人に効率よく情報提供できるツールです。ただ、もう一つ重要な特徴があります。「興味がない人はほとんど見にこない」という一面があります。ここを知らない人が多いのです。

そして、このことを認識しないまま、ホームページを作り始めます。興味がない人に興味を抱かせるために、聖書の解説を入れてみたり、証しの動画を入れてみたりと工夫するのですが、そもそも興味が無い人は見にこないので、せっかくの内容があまり意味のないものになってしまいます。

もし、キリスト教にまったく興味がない人を振り向かせるホームページを作るとしたら、まったく違うアプローチが必要なのです。教会のホームページとは別に伝道用のホームページを立ち上げることを検討する必要があるでしょう。これは、かなりの上級者コースです。

みなさんが教会のホームページを立ち上げるときは「教会に興味をもっている人をガイドする」ことを考えてみてください。扉の外から教会を覗きこんでいる人がいると想像してください。ここでどんな質問をされるでしょうか。それにどう答えるでしょうか。

キリスト教に興味を持っている人はたくさんいらっしゃいます。それぞれの教会で、この方々を愛を持って教会へガイドすることができるなら、教会にくる人は確実に増えていきます。ホームページはまさにそれにふさわしいツールです。

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