この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。
メインビジュアルの写真は重要です!
ホームページ用の写真の撮り方シリーズ最終回です。前回は「明るく撮ること」「ピントをあわせること」「きれいに片付けること」と3つのポイントをお話しました。これまで、あまり写真を撮ることに慣れていなかった人は、細かいテクニックよりちょっとした心がけを守るだけで、良い写真が撮れるようになると思います。
さて、今回はとりわけ重要な「メインビジュアル(キービジュアル)」の撮り方を考えます。メインビジュアルは図1のように、トップページを飾り、ホームページの雰囲気を決定づける画像です。この画像は一番教会を象徴している写真を使います。教会のホームページでは、建物や礼拝堂を使うことが多いですね。前にも書きましたが、メインビジュアル用の写真撮影はプロのカメラマンに依頼することをおすすめします。プロが撮った写真はまったく質感が違います。とはいえ、予算が撮れなかったり、自慢の場所が見いだせないときは、自分で撮影するしかありません。
そうなったら、とにかくたくさん撮りましょう。100枚撮れば1枚ぐらいは良い写真が出てくるものです。少しずつ場所、撮る角度や構図を変えながら撮影することが大切です。
メインビジュアルの写真はズームアウトして撮る
ここで注意点があります。図1のようにメインビジュアルはたいてい横長の画像です。といっても、パノラマ撮影できるカメラを持っている人はほとんどいないと思います。撮影するときに、図2のように切り取られることを意識して撮影してください。できるだけズームアウトして(引いて)広いエリアが写真に収まるようにすると良いでしょう。そうして撮影した写真は切り取っても違和感のない写真になります。
角度や高さを変えながら、いろいろな構図で撮ってみる
「場所、角度や構図を変えながら撮る」「できるだけズームアウトして撮る」ということを述べましたが、どんな写真を撮るときでも大切なことです。
同じものを撮影するのでも、角度を変えながら撮るだけで、まったく異なる表情の写真を撮ることができます。礼拝堂であれば、ふつうに立って撮影するほかに、椅子や脚立に乗って高い場所から撮影したり、床ぎりぎりの場所から見上げるように撮影するのもいいでしょう。また、正面からだけではなく、右斜め後方、左斜め後方から、場所も変えて撮影してみましょう。(図3)
ピントを固定にする
構図について少し説明しましょう。ふつうは被写体をレンズの真ん中に置いて撮影すると思います。これを真ん中以外に被写体を右下などに移して撮影してみましょう。(図4)たいていのカメラはシャッターを半押しするとピピっと音がなります。この状態でカメラをちょっと動かして被写体を真ん中から動かすことができます。iPhoneの場合はピントを合わせたい場所を長押しをすると「AE/AFロック」と表示されますので、被写体を適当な位置に配置してください。それだけで表情の異なる写真になることがあります。
写したい構図よりも気持ちズームアウトする(引いて撮る)ことも意識しましょう。引いて撮っておくと、後からズームした写真に加工することができます。
しかし、ズームした写真からズームアウトした写真へはどうやっても加工できないからです。
写真のことについてここまで取り上げてきました。ちょっとしたことを気をつけるだけで、見違えるほど良い写真になりますので、ぜひ以上のことに意識しながら撮影にチャレンジしてみてください!