第3回 自分に関係する情報だと思わせる

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

チラシの反応が薄い理由

わたしはホームページだけではなく、教会が作成したチラシもよく目にします。なかには、プロが手がけたかのような素敵なデザインのものがあります。

なんとなくかっこいいチラシ

かっこよく作っても誰にどんなメリットがあるのか明確でないので、反応が薄くなってしまう。

しかし、残念なことに、多くのチラシはその場で丸めて捨てられてしまいます。苦労して作ったものなのに、すばらしいデザインなのに・・・どうしてなのでしょうか?

それは読み手が「自分に関係ないことだ」と判断するからです。平たく書けば「何のメリットがあるか分からない」のです。万が一、興味を持ったとしても、そもそも信者でもない自分が行っても良いのか分からない、予約が必要かどうかも分からない。面倒だ。だからやめておこう・・・ということになります。

こうしたチラシは読み手の視点で作られていません。読み手は自分にとって関係があるか、益になるかどうかという視点で見ます。しかし、多くの教会のチラシは、一体何が目的なのか分かりづらくなっています。チラシの内容が読み手にどうつながるのか分からないのです。

そもそも、信徒ではない人は、教会が何のためにあって、何が行われているも知りません。
「教会って清廉潔白な方々がアーメンとか言っている所でしょ。わたしみたいな人間にはまったく関係ない場所だわ」という感覚の人も多いのです。

では、関係がないと思われないチラシを作るにはどうしたらよいでしょう。

誰にどういうメリットがあるのかを明確に

まずは、誰に向けたイベントなのかを明確にすることです。「教会に来たことがない人へ」とか、「職場の人間関係、家族との関係でお悩みの皆さんへ」と書いてあるだけでも、自分には関係ないとチラシを丸めて捨てる人はグッと減るはずです。

もう一つは、メリットが明確であることです。
「教会で聖書を読みませんか?」というより
「日曜日の朝、教会で聖書を読んで、心静まる時を持ちませんか?」
と書いたほうがメリットを感じますよね。

「教会に通っているのは、そんな安易な理由じゃない」と思われるかもしれませんが、信仰を持っていない人に分かりやすいメリットを示すことは大切です。

相手の立場に立って配慮を尽くす

no3-2

誰にどんなメリットがあるかを入れるだけでも反応はぐっと良くなる。読み手に配慮を尽くす。

「この礼拝は、教会が初めての方向けのものです。聖書を読んでみませんか?信仰を強制することは一切ありません。予約も費用も一切不要。どなたでも歓迎します。安心してお越しください」と書いてあったら「初めての私が行っても大丈夫なんだ」って安心してもらえますよね。

どうか、チラシやホームページを作る時、相手の立場に立って取り組んでみてください。初めての方がどれだけの不安を抱えて、まったく未知なる教会という場所に足を踏み込もうとしているか考えてみてください。大変なことなのです。わたしたちにはそういう方々に寄り添う姿勢が必要です。そのようにして作られたチラシやホームページにおいては、単なる文章だけではなく、神様の愛が乗せられて、人々の心に届いていくのだと思います。どうぞ、みなさまの作られたラシやホームページが素晴らしいものとなりますように。少しでもこの連載がお役に立てれば感謝です。

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