第4回 相手に期待することを明確にする

この記事は、2015年にキリスト新聞で1年間した「スキルアップ講座 教会の情報発信術」を、さらに修正を加えて2016年度版として公開するものです。キリスト新聞はキリスト教界の最新情報を毎週まさに新聞という形で届けてくれ、たいへんためになる情報も盛りだくさんです。このような機会を与えてくださったキリスト新聞社のみなさまに感謝します。全42回です。

大事なことですので、前回の復習です

前回のおさらいです。読み手は自分に関連がないと分かるとすぐに読むのをやめてしまいます。
「職場や家族との人間関係でお悩みの皆さんへ」
こんなように、誰に対してのメッセージであるか明確ですと、読まれる可能性は高まります。

「読み手の不安を取り除く」ことも重要です。
「信仰を強制することは一切ありません。予約も費用も一切不要。どなたでも歓迎します。安心してお越しください」
こういうちょっとした心配りが大事です。身構えていた読み手の気持ちはずいぶん楽になりますね。

3つ目のポイントはメリットを明確にすることでした。

なぜ、そのイベントに参加するのでしょうか?
なぜ教会に足を運ぶのでしょうか?
何か良いことがあるのでしょうか?

これを説明できなければ、そもそも、そのイベントはなんのためにやるの?
ということになってしまいます。

ただ、メリットを書くといっても「あなたも必ず救われます」という言葉だけでは、まったく伝わりません。「何から救われるの?そもそも救われなきゃいけないことなんかないよ」と多くの人は考えます。未信徒の方々の立場に立って、分かりやすい言葉で説明する必要があります。

相手に期待することを明確にする

おさらいが長くなりましたが、今日はもう一つポイントをお話します。
相手に期待することを明確にする」ことです。みなさんがチラシやホームページで情報発信するのはなぜですか?教会に足を運んでもらいたいからですよね。「どうぞお気軽に教会にお越しください」というメッセージは発信されていますか?

そのチラシは何のために配っているのですか?
イベントに来てもらうためですか?
何らかの支援をしてもらうためですか?
覚えて祈ってもらうためですか?

イベントの日時・場所・費用・講師・テーマなどが箇条書きで書いてあるだけのチラシを見ると「本当に来て欲しいのかな」と思ってしまいます。対象となる人、参加するメリット、イベントの魅力、参加方法がまったく書いていないのです。「初めての方も大歓迎!」と一言添えるだけでも雰囲気はずいぶん良くなるのにもったいないなと感じます。

教会に来てもらうのに、何が障害になっているだろうか。どういう説明が必要だろうか。と考えていきながら、キャッチコピーや案内文を作ると、読み手が行動を起こしやすくなりますね。

いちばん大事なことは相手の立場でそれぞれが考えること

この2回の連載で、読み手が自分と関係があるイベントだと気づいてもらえること、不安を取り除くこと、メリットを明確にすること、相手に期待することを明確にし、行動を起こしやすくすることをお話しました。これだけ意識してもらうだけで、ずいぶんと読み手に分かりやすい情報発信になります。

しかし、一番お伝えしたいことは、こうした細かいテクニックではなくて、常に相手のことを考えた情報発信をしましょうということです。その上で、みなさんが相手のことを考えて出した答えが、わたしがここで書いていることと異なるならば、どうぞそれを実践してください。相手に寄り添う気持ちで作られたチラシやホームページを通して、神様の愛が伝わりますようにと祈っています。